Fishing2006釣行記 生保内川釣行記
生保内川釣行記
 
  
[報告者] 高久明夫
釣行日:2006/6/24〜26
 メンバー:齊藤 敦、高久明夫瀬畑孝久
 
 
 
 
 
 昨シーズンは、仕事の都合で源流へは内の倉七滝沢しか行くことができなかった。 一度足が遠のいてしまうと、出掛ける準備やら長時間の歩き、おまけに帰ってからの後片付けを考えると、どうしても「行くぞー!」という気になれなくなってしまうものである。 そんな折、瀬畑jrから、「生保内川行かない?親父の情報だと魚がうじゃうじゃいるらしいよ。」の誘いがあった。

 生保内川は8年程前に行ったことがあって、大雨で退散した記憶が蘇った。 「秋田か・・・遠いなー・・・雨に降られて釣りにならないとショックでかいんだよなー・・・でも魚がうじゃうじゃいるのか・・・んー・・・」などと葛藤している自分がいるのである。 そんなこんなしながら今回は福島の齊藤さん、瀬畑jr、私の3人で出掛けることになった。 福島飯坂ICで齊藤さんの車に乗り換え、一路秋田を目指す。 夜明け近くなって車止めに到着し支度をしていると、後からもう一台が来た。 ここにはよく来ているようで、シトナイ沢に入るとのこと。

 車止めから最終堰堤までは林道があるがシトナイ沢を過ぎると段々と朽ち果て、やがて川に降りたり再度林道に上ったりを繰り返す。 頭上に掛かる田沢湖線(秋田新幹線)は昨年夏に仕事で大潟村に行った時に乗ったが、途中大曲駅でバックし秋田駅に行く変な新幹線である。 昨年は鉄道から生保内川を見て、今年は生保内川から鉄道を見る。 何か不思議な気分である。 そうこうするうちに最終堰下に到着。 早速魚が居るかどうか、齊藤さんにエサで探ってもらうことにした。 流す間もなく8寸イワナが喰いついてきた。 石の色に似て、やや黒っぽいイワナである。



久しぶりの源流釣行、そして8年ぶりに訪れた秋田
オソダテ沢上流の堰堤下で齊藤さんに来た8寸イワナ


 
暫く遡行するとゴバン沢出合に到着。 雪しろが治まって間もない感じで、水は冷たく膝が痛くなってくる。 「じゃ、この辺から釣り上がりますか。」ということで、齊藤さんがエサで、jrがテンカラで釣り上がり、何匹か釣れたのを確認したところで、私も昨年の内ノ倉以来久々に竿を出す。 しかしブランクが長かったこともあり、思うように狙ったポイントに毛鈎を打ち込むことができない。 そんなこんなしているうちにやっと8寸クラスを掛けることができた。 ここの岩魚は型の割にはパワフルである。


生保内のイワナとjr
久しぶりのテンカラで、やっと8寸のイワナを掛けた
引きもなかなかのパワフルイワナ


 
今日のテン場はッコ沢出合の予定であったが、手前に砂地で広く、流木もふんだんにある場所を発見。 齊藤さんが、「ここでいいんじゃない?」 私も「ここいいよ。セバッチャンここにしようよ。」で無理矢理決定。 タープを張り、流木を集めたところでビールで乾杯! 久しぶりに沢で飲むビールは実に旨い。

 大休止を終えたところで、3人で釣り上がることにする。 齊藤さんのエサ釣りは見事なもので、落ち込みの底に張り付いている魚を引きずり出すようにポンポンと釣って行く。 jrのテンカラも翁譲りの腕前で、水温が低いにも拘らず、コンスタントに釣って行く。 一方の私はというと、久しぶりでかつ、盛期のテンカラしかやっていないため、掃き出しに付いていないと、どこに振り込んでいいかわからなくなるといった次第で、腕前がそのまま釣果に出てしまった。 大ッコ沢出合に来たところで、丁度時間となったため、一足先に引き返した齊藤さんを追うようにテン場に引き返した。


川床に張り付いたイワナを見事な腕前で引きずり出す齊藤さん
久しぶりの手応えに満足


 夕食は齊藤さん作の山菜料理と岩魚の押し寿司で満腹になり、酒で酔ったところで、急に睡魔が押し寄せ、早々の就寝となった。 6月下旬とはいってもここは秋田の山中、夜中の冷え込みはかなりのもので、途中何度も寝返りを打ちながら朝を迎えた。


 2日目は朝からピーカンである。 朝食を済ませ、今日の出発は10時ということになり、私はまたまたシュラフの中に潜り込んだ。 時間前に齊藤さんが釣り支度を始めたので、私「あれ? 10時出発じゃなかったんでしたっけ?」  齊藤さん「アニマル浜口に気合入れてもらったら?」 私「・・・じゃ行くか。」 

 大ッコ沢出合に着いたところで竿を出すが、魚は居るが揃えたように8寸サイズである。 川も瀬続きで変化に乏しく、ちょっと飽きてきた頃、時間も12時近くなり、昼食休憩を摂ることにした。 今日のメニューは素麺に岩魚と山菜の天ぷら。 照りつける日差しの下で食べる素麺は実に美味い。


テン場から小1時間の大ッコ沢出合、今日はここから釣り上がる
日当たりの良い河原にて、素麺とテンプラで昼食


 大休止後に釣り上がるが、今までの瀬続きから一変して落ち込みの連続となり、テンカラには分が悪く、餌釣りの齊藤さんの独壇場となってきた。 高度を上げるに従い、魚の型も段々と詰まって、あちこちに残雪が見られるようになってきた。 雪渓崩れの所で納竿とし、テン場に引き返すことにした。


昼食後、釣りあがると渓相が一変
ここは齊藤さんの独壇場
生保内での釣りもここで納竿
齊藤さんと記念撮影


 テン場に戻ると、齊藤さんとjrは山菜や岩魚の下ごしらえを始めたので、私一人ボケッとしているのもどうかと思い、集めておいた流木を鋸で切り揃え、山のように積んだ。 これで今日は盛大な焚き火を起こすことができる。 今晩の夕食は、初の"岩魚の櫃まぶし"である。 齊藤さんがフライパンでふっくらと焼き、そこに蒲焼のたれをかけ、それを炊き立てのご飯にまぶし、暫し蒸らす。 私は岩魚はあまり好んで食べる方ではないが、"岩魚の櫃まぶし"は格別で、ウドとミズの味噌汁と併せて食べると、これが"源流の飯"とうなる程の美味であった。

 夕食を済ませ、キャンプファイヤーのような焚き火の周りに集まって酒を飲み、揺らぐ炎と真っ赤な熾きを見ているととてもいい気分になる。 源流好きの人は、共通してこの時間が好きなのだろう。 股間も温まり酒に酔い、眠くなってきたところでシュラフに潜り込んだ。


快適な砂地のテン場
キャンプファイヤーのような焚火で宴会


 明けて3日目。 今日は帰るだけである。 残った2本のビールを開け、朝食を済ませる。 しばし休憩後、テン場周りを奇麗に片付け、9時出発。 のんびりと川歩きを楽しみ、30分歩いては休憩し、また30分歩いては休憩していると、いつの間にか秋田新幹線の下に到着し、丁度「こまち」が頭上を通り過ぎて行った。 林道を歩いていると、山菜摂りの爺さんや、フライフィッシャーに出くわし、そのたびに立ち話をするため、車に着いたのは丁度正午。 ブランクを埋めるには丁度いい沢旅であった。


(たかく あきお)
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