Fishing2009釣行記 朝日連峰 険峻の渓へ[三面川水系 岩井又沢]
朝日連峰 険峻の渓へ[三面川水系 岩井又沢]
 
  
[報告者] 山路由洋
釣行日:2009/8/28〜30
 メンバー:上田 勉、平江 誠
 寺尾一木、大部勝昭
 山路由洋
 
 
 
 

渓流シーズンもいよいよ終盤に入り、会の恒例行事となっている朝日連峰釣行を岩井又沢で行った。気象予報では日本海側に低気圧が張り出しており、『水が出ると厄介なんだよなぁ。』などと車中で上田さん、平江さんと会話を交わしながら、埼玉を出発となった。関越道にて新潟県へ入ると、時折激しい雨が落ち、途中のSAでは肌寒ささえも感じながら、一路奥三面ダム車止めを目指す。

 車止めに到着すると、すでに寺尾さん、大部さんが到着しており軽く到着祝いを行うも、ヤブ蚊の襲撃に耐えきれず早々と撤収、明日に備え車中にて仮眠をとる。

 早朝、激しい雨音で目が覚め、再度パッキングを確認し、不測事態に備え少し早めに車止めを出発する。今時期は、アブの攻撃にうんざりさせられる為、今回もアブ対策に、それぞれが虫除けを準備したのだが、気温が低いせいかアブの数が少なく感じる。ハッカ、ラベンダー、キンカンの香りを漂わせながら、林道を1時間程歩いた後に下降、三面川本流を徒渉し少し下ると岩井又沢出合いに到着となった。沢の入り口は、水量が少ないせいか穏やかに見えるが、直ぐに瀞場と巨岩群の連続となり遡行に苦労する。しばらく歩くと、4mF1が現れ小休止後、大高巻きでクリアする。その後も大瀞と巨岩帯が交互に現れ、我々を歓迎してくれる。初日の重ザックが、次第に肩へ食い込み、体力を一気に消耗してしまう。さらに進むと8mF2が現れ、ここも高巻いてクリアする。



早速の瀞場に、冷たっ! 

  
小休止しながら、滝を高巻く


 

巨岩群が先ほどよりも増して行く手を阻み、ゆっくりと景色を楽しむ余裕が無くなってきた。途中、大釜淵では平江さんがトップで泳ぎ、岩に取り付き、吸水した重ザックをテープで巨岩上へピストンしていく。これだけの登攀、泳ぎが続くと皆にも疲れが見えるが、自分達の上ってきた渓を見返ると、『ホントにこんな所を上がってきたの!』と達成感に、疲れも癒される。途中、小休止を取りながら6mF3を難なく高巻くと『おーい、こっから竿を出していげ!』と上田さん。『よっしゃ!』とばかりに皆で交互に竿を出す。F3を越えるとイワナの魚影も濃くなり、それぞれの竿が撓る。中でもルアーマン寺尾氏が、立て続けに良型を掛け『ルアーも釣れんだよ!』と実証し、巷の噂を吹き飛ばす。

6mF3を越えると、渓は落ち着く

待ってました!岩井又沢最初の一匹

無垢な岩魚が次々と掛かる

やっと日差しが・・、気分が高まるよ!



 約8時間後、ウデコエ沢出合いに到着し、手前の高台に絶好のテン場を取る事にした。『今回は、野天で宴会が出来るぞ!』と皆で薪を掻き集め、テン場を整え終わると、留守番組と釣り組に分かれ、私と大部さんは、1時間程釣りに出かける。やはり次々と良型が掛かり、魚影の濃いことを確認すると、足早にテン場に戻り、宴会に合流となった

ウデコエ沢出合い手前の絶好テン場

岩井又沢に何を思う?

岩井又沢の一匹

楽しい宴

平江さん、考え事ですか。



 久しぶりに野天の宴となり、大部さんの特製もつ鍋で身体を温め、次々と出てくる肴に舌鼓するが、皆疲労のため早めの就寝となった。深夜、激しい雨がタープに打ち付けているのを夢の中で聞き、早朝目覚めるとテン場前は濁流、忽ちプールと化した変貌にゾッ・・とする。沢床で、私と大部さんが冷やしていた貴重なビールもすべて流されてしまい、焚き火の傍らで、やけ酒を飲んでいる大部さん。(今、飲んじゃダメでしょ!)
 
 目前のプールを見てじっとしていられない上田さんは、右手に竿を持ち、早速テン場前の釣り堀へ直行し、餌を投入すると同時に、尺2寸のイワナが掛かり、その後も尺が次々と掛かる。
 
 皆で朝食を済ませ、釣り支度をしながら沢が落ち着くのを待つが、なかなか水量が減らない。今後の予定を協議し、9時半過ぎに岩井又沢の核心部へと出発になった。幾つもの巨岩の続くゴルジュ帯の激流に逆らい、起伏の激しい巨岩群、切り立つ巨岩を乗っ越し、沢を上っていくが期待していた日差しもあまりなく、ゴルジュ帯では寒さを感じる。途中の広河原で竿を出すが、直ぐにゴルジュ帯となるため竿の出し入れに忙しい。やはり此処まで来ると魚影も濃くなり、イワナが次々と足下を擦り抜ける。

核心部へと、更に前進、前進 

巨岩帯を超えても直ぐにゴルジュ帯が続く!
 

『ついて来い!』と忍者突っ張りで超える!?

巨岩を乗り越え、次なるポイントへ


中上戸沢で、しゃりバテとなり日差しの下、源流食堂にて上田さんの特製おにぎりと、薬味たっぷり素麺で昼食とする。いやぁ〜うまい!!タイムリミットが迫っているため先を急ぎ、何とか大上戸沢を越えると・・・広河原が!!ゴルジュ帯は終わったのか!! 此処からは、皆でテンカラ竿を思いっきり振りながら、最後の釣りを楽しみ、夜の宴用にとイワナを少々確保する。しかし、畑沢との出合い手前で時間切れとなり、次回こそは中俣沢だ!と皆で誓い、広河原を後にした。


源流ソーメンと特製おにぎり

源流食堂で一息入れる

『さぁ、先を急ぐぞ。』 

激流に何度も流し戻され・・『ふぅ、もう・・いいぞ』

『ガハハ!俺も撮ってくれ!』と、魚だけしか写って・・

久しぶり!の岩魚にニンマリ

さぁ!泳げ!泳げ!


 
帰りは、お決まりのドボン、ドボンと泳ぎ下り、今回の釣行は終了となった。テン場に戻ると明日は帰るだけと全ての食材を調理し、青椒肉絲、麻婆春雨卵とじ、空芯菜と厚揚げ炒め、地鶏の炭焼きと、賑やかに肴が並ぶ。今夜も焚き火を囲み、満天の星空を見ながら、今釣行を振り返ると、皆の『十分満足、堪能したよ!』の言葉で締めくくる。『明日も天気はいいぞ!』と確信し、いつの間にか焚き火の傍らで寝てしまった。

『ガハハ!帰りは、やっぱし、これだよな!』

 『もうすぐテン場だぞぉ』

テン場前にてパチリ!

再び、三面川本流を徒渉し林道へ、お疲れ様でした

 

翌日は、早起き蝉の声に目覚め、皆でテン場を綺麗に撤収し、岩井又沢を後にした。今回は登攀、へつり、泳ぎ、高巻きと源流釣りの技術を全て含み、参加者全員が大満足の釣行であった。今後も、継続的にトレーニングを実施し、安全に源流釣りを楽しみましょう。




(やまじ よしひろ)
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