Fishing2010釣行記 カシャ猫啼く山[福島県志津倉山]
カシャ猫啼く山[福島県志津倉山]
 
  
[報告者] 本宮和彦
釣行日:2010/11/13
 メンバー:本宮和彦
 
 
 
 
 
 奥会津に静かに佇む志津倉山、岩場と深いブナの巨木に囲まれ紅葉には少し遅いかなと思うがトレーニングを兼ねて出掛けてみることにした。。

 朝5時半に自宅を出発。途中塩原のコンビニで朝、昼食を買い入れ一路奥会津昭和村へ。
山々の木々は既に葉を落とし始め、田んぼもすでに稲は刈り取られ少々寂しい気持ちのまま登山口へ到着した。

 標高1,234b。その昔、カシャ猫と呼ばれ齢1,000年を超え、埋葬した死体を食い荒らすと村人から恐れられていた妖獣が息づく猫啼岩、干ばつには雨をもたらした雨乞岩、狗ひん様の仕業「空木がえし」など伝説織りなす奥深い山だ。

 

登山案内図で確認

     
   外国人登山家の遭難慰霊碑

 
     
   この鐘を打ち鳴らし出発

 

 登山口で「志津倉の鐘」を鳴らし、沢沿いの登山路を歩き始める。
思いのほかぬかるんだ箇所が多く倒木をくぐるときに思わず足首まで埋まったが何とか靴の中は無事であった。

 程なく今日の下山路である細ヒドコースを分ける。分岐を左に取り一路大沢コースへ。
沢を右に左に渡りながらふと見上げると大きな一枚岩のスラブ「雨乞岩」が見えてきた。頂上付近から一気に滑り落ちた空気はヒンヤリと頬をかすめる。雨は降ってほしくないのだが両手を合わせ今日1日の安全をお祈りした。


 
   雨乞岩
 
     
   山頂へはシャクナゲ坂経由

 


 最後の水場を過ぎいよいよシャクナゲ坂の急登を開始。
途中鎖場を腕力頼りに登り切りヤセ尾根で一休み。眼下には沢の流れが見えるがスパっと切れた絶壁の為あまり覗き込む気になれない。いつ後ろからカシャ猫に襲いかかられるかと思うと余計に不安になってきた。
(そういえば狗ひん様と云う妖術使いもいるらしい。どっちにしても手ごわそうだ。)


   急登のヤセ尾根で
両側ともスッパリ切れています
 
     
   頂上付近が見えて来ました

 
     
   まだまだ悪場は続きます
来年の岩トレにどうでしょうか?

 
 ようやく登りの緩やかになり辺りにはブナの巨木が天を突くように伸びている。
このころになると日も差し始めヤッケを脱ごうかとも思うが先日降った初雪が至る所で残っている。


 足元を取られながらふと風倒木に目を取られる。
近寄ってみるとまだマメのようではあるがナメコが出迎えてくれた。

 そのあとも倒木を覗き込みながら進むとちょうど食べごろの開き始めの群落を見つけお土産タイム。

【左】 マメなのでパス
【左下】同じくパス
【右下】考えましたがパス
 
     
       
   これは食べ頃です

 
     
   ムキタケ

 


 誰もいない山頂で昼食を取りしばし日差しの中で日向ぼっこ。

 遠くに霞む飯豊連峰、磐梯山、博士山、御神楽岳など天気が良く非常に眺めが良い。
反対の南側へ目をやるとはるか眼下には昭和村の家々が小さく見える。


   山頂付近は雪景色

 
     
   一人の登山者とも会いませんでした

 
       
 遠く飯豊連峰を眺めながら昼食

     
   下山路も素晴らしいブナ林

 
     
   葉も落ち冬支度を始めた木々達
 

 下山路には雪もなく直径が5bはあろうかと云うブナの木の中を縫うように下って行く。

 オレンジ色の絨毯を敷き詰めた山は何も隠すものがない。対岸の斜面を猿達の群れが駆け上がっていくのが見える。小さい子猿は母猿にしがみつくようにくっついて離れない。群れの中でもひときわ大きいのがボス猿だろう。

 最後に野生の親子の温かい情景を目にし、この冬があの猿達に取って穏やかであることを願い家路を急いだ。

 


(ほんぐう かずひこ)
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