Fishing2012釣行記 大石川東俣沢
大石川東俣沢
 
  
[報告者] 平江誠
釣行日:2012/9/21〜23
 メンバー:山路由洋、寺尾一木
 平江誠
 
 
 
 
 会の釣行計画であった大石川東俣沢が、リーダ瀬畑jrの欠席により中止になりかけたが、過去にこの沢を訪れている山路氏のどうしても行きたいとの熱望により、初挑戦の寺尾氏と私を含めた3名で、予定通り大石東俣釣行の決行となった。

 21日AM1:00 無事梅花皮山荘前駐車場着。しっかりとお清めを行いしばし仮眠を取る。

西俣の峰ピークにて



 
車止め出発 AM8:00。2台の怪しい車が登山道へと走り抜けていった。釣りだとまずいなと慌てて歩き始め、わらびの茂った杉林で10名のパーティーに追いつき話を聞くと、西俣ノ峰を越えて、三匹穴小屋前でテント泊まりの山登りのパーティーであった。親切にも先行を譲っていただき、杉林を抜け登山道へと入っていく。トラロープが張られたいきなりの急登で息も切れ切れになりながらもすこしずつ高度を稼いでゆく。何度も山登り団体に追いつかれながらも、なんとか西俣ノ峰ピークに到着。程なく山登りのパーティも到着となった。ピークにて挨拶と自己紹介を交わし写真を撮りあう。10名の団体は豊栄山岳会の面々であり、登山道入口や十文字池・西俣ノ峰に設置された手作りの標識は、豊栄山岳会が取り付けたと聞かされ大変驚かされた。しばし歓談の後、豊栄山岳会の皆さんを見送り下降点を探す。
 

豊栄山岳会が設置した看板


 2005年にここを訪れた経験のある山路氏が下降点を探して200m程登山道を先行するが、目印のテープが見当たらず、ピーク寄りに設置?されている鉄の塊辺りから踏み跡を探しつつ下ってゆく。

 藪を掻き分け下降を続けること2時間。大石東俣の本流が見え始めると斜面の傾斜がいきなり急になり、最後は本流川床へ10mの懸垂下降で降りる羽目になってしまったがなんとか3名無事に到着できたことに感謝する。安心ついでにこれからの爆釣に期待してちょこっと竿を出してみることにした。見事な渓相にも関わらず、岩魚の姿は見えず、私の毛鉤にも全く反応がない。明日の釣りに不安を抱きつつも納竿とする。
 
 とりあえずテン場の目印となる長者ヶ原沢を目指して下流に200m程下っていくと、山路氏が「ここは前回泊まったテン場だ!」という。なんと予定した場所とは全く逆で、再び上流に向かって歩き出す。

 30分程で長者ヶ原沢出会いに到着、安定した天候に、快適な砂地をねぐらとすべく、整地を済ませタープを張り薪集めの後、待ちに待った釣りとなる。本日は長者ヶ原沢で食料調達を行う予定である。山路氏は、久々の岩魚のてんぷらが食べたいらしく、500mlの油を持参しており、寺尾氏はみそたたきを作ってくれるという。余裕綽綽で餌釣りの山路氏が竿を出すが、岩魚の姿を見ることも無く滝が現れた。二人が後ろで見守るなか、最後のポイントに竿を振り込む山路氏に立て続けに5本の岩魚が答えてくれた。1本は40cmオーバであったが、取り込みでライン切れとなりバラシとなった。これで食料は十分、明日に期待しつつテン場に戻る。


長者ヶ原沢F1


連発の山路氏


連発の山路氏 
その2



 後はお待ちかねの乾杯タイムである。時間は早いが、焚き火に点火し乾杯する。思い描いたルートではなかったものの、憧れの大石川東俣に辿り着けたことが嬉しいのか、3名とも妙にテンションが高く酔いの回りが速い。岩魚のてんぷらをつまみに舌鼓を打ち、満天の星空を見上げ焚き火脇をふらふらしながらウィスキーを煽っている寺尾氏と私でしたが、いつものように焚き火脇で撃沈。寒さで目が覚めたときは二人ともしっかり寝袋に入っていた。冷え切った体を残った燠で暖め直し、なんとか就寝となった

焚火 GO GO!!



 
二日目はいよいよ東俣沢遡行である。若干の不安は拭えないものの、期待に胸を躍らせながら、テン場のすぐ上流から竿を出していく。渓相は素晴らしくどこから岩魚が出てもおかしくないが、相変わらず岩魚の姿は見えず、テンカラ、餌釣りの竿にも反応がない。


 30分程してやっと私の毛鉤に岩魚がかかったが、余所見をしている間に勝手にかかってしまったのでいまいち素直に喜べない私でした。とはいえ岩魚が確認できたので、気合を入れ直し遡行を続ける。たまに走る岩魚を見かけるものの、底にべったりと張り付いていて針掛かりしない。途中、生かし紐に繋がった岩魚を発見、「誰が釣ったの?」と二人に聞いても知らないと言う。先行者の回収忘れだと思うが、貧果のため貴重な食料としてありがたく頂くことにする。


私に引っかかったイワナ


泣き尺イワナ パート1




 
まさか先行者がいるのではと足跡を探すも見当たらない。昨日の雨で消えたとはいえ、直近に入渓しているのは間違いないだろう。その少し上流では、針掛かりした岩魚をリリースして死んだと思われる岩魚を発見した。


 気を取り直し上流を目指すが、食いは渋いまま南ノ大沢到着となる。時間も12時を廻り昼飯とする。そうめん用にお湯を沸かしている間、寺尾氏が本流の絶好ポイントで竿を出す。40cmオーバと豪語していたが、釣れてきたのは泣き尺の斑点の綺麗な雄岩魚だった。山路氏が南ノ大沢で餌竿を振るが、すぐに滝となり納竿となる。







 絶品のそうめんをいただいた後、本流を遡るがすぐに旧魚止め滝到着となった。折角なので滝上を確認することにした。2匹の岩魚は確認できたもののすぐにゴルジュとなり、今回は時間切れのためここで納竿としテン場へと引き返す。


 薪を集めを終え乾杯していると、山路氏が昨日バラした40cmオーバを釣りに再度長者ヶ原沢にリベンジに行くという・・・が20分後、残念ながら手ぶらでの帰還となった。


 今夜も絶品のミズ菜の油炒めと岩魚の味噌たたきで酒が進み、例によって焚き火脇で撃沈となった。


絶品 イワナの味噌たたき


焚火 GO GO !!



 最終日、小雨のなかでの撤収となる。帰還ルートを慎重に検討し、山地氏が以前使用したテン場脇の地元の人たちが通っているというルートを選択した。

 雨で滑る斜面に最初こそ難儀したものの、快適に尾根を辿り西俣ノ峰まで到着となった。天下の大石川東俣沢に入渓でき、地図を頼りにルートを見出せたことで、これからの山遊びに自信を持つことができた貴重な沢旅でした。

(ひらえ まこと)
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