Fishing2014釣行記 故大塚八朗君を偲んで
故大塚八朗君を偲んで
 
  
[報告者] 高久明夫
[写真] 齊藤敦
釣行日:2014/9/14〜16
 メンバー:林出政治、上田勉、齊藤敦
 寺尾一木、高久明夫
 

 
 
 彼岸前のこの週、この川は、恒例になりつつある会の行事である。 今回の参加者の平均年齢は何と58歳。 一番若いのが私(高久)で、この先数年後には、会の名を宇都宮渓遊会から宇都宮敬老会に改める必要がありそうだ。

 栃木組は上田氏、寺尾氏と私が道の駅塩原で待ち合わせ、東北道、磐越道を経由し合流場所に向かった。 磐越道では一部区間が工事のため通行止めで下道に降ろされてしまい、思いの他時間がかかってしまった。福島組は齊藤氏、林出氏の2名。 3:30現地に着くと、福島組は既に入山祝いを済ませ眠りにおり、我々も軽く入山祝いを済ませ少し横になった



 夜明けと共に身支度を整え、軽く朝食をとってから目的地を目指す。 最初の渡渉点は川幅が広く、以前は深さもあり泳ぎを強いられたが、今は砂に埋まってしまい、膝上までの深さしかない。渡渉点を越え支流を上ると程なく登山口に到着し、各々足固めを行い胸突き八丁の急登に臨む。 途中小休止を挟みながら二時間程で最初の目印のコルに着いた。 ここから先は急な登りもなく割と楽ではあるが、所々道が不明瞭で、以前に何度も道に迷った難しいルートだ。 暫く稜線を歩き目的地に降りる支尾根を下降する

山越え前の河原歩き


     
  まだまだ余裕綽々です


 
 
     
  山越え小休止

 
 


 視界が開けた所で小休止するが、ここからは沢が大きく切れ込む幾度となく見た光景が眼下に広がる。 急な下降で体力を使い果たした足にはかなりこたえるが、降りていくと徐々に沢の音が大きくなり元気が出てくる。 降りたところにあるテン場に着いた時は丁度12時を指していた。 今まで何度もここには来ているが、必ずと言っていいほど途中で道に迷ってしまい、12時に着いたことはない。 年々歩くペースは遅くなっているが、迷わずに来れたため、結果的には今までで一番早く着くことができた


 テン場は最近使った形跡があり、焚き火跡にはアルミかすや乾電池があったが、火に入れた当人は乾電池が燃えるものと思っているのだろうか? まったくもってどういう神経しているのか理解に苦しむ

ここまで来れば苦しい遡行はほぼ終わり。ピンソールを外し、のんびりと休憩していると急に大粒の雨。テン場に放置してあったブルーシートを張り、暫くの雨宿りとなった。 予定では目的のテン場に行く前に支流を釣る予定だったが、釣りはあきらめ小降りになったのを見計らい、ブルーシートを上田氏のザックに括り付け、テン場に向かう。

 雨は時々強くなり、濁りも入り始めいやな予感、ゴルジュの真っただ中なので兎に角ここを早く抜けて河原へ出なければ身動きさえ取れなくなる

 渡渉中に乗った大き目の丸い石がつるつるで、思いっ切り突っ伏す状態で前かがみに転倒、「去年もここでやったよね」と 学習効果が全くない。雨は全く止む気配もなく焦るが、最後の難所の滝を超えて何とか無事テン場へ




 テン場は故大塚八郎君がこよなく愛した場所で河原の石を置いただけではあるがその碑がある。 全員で焼香し、「ハチ〜 今年も来たよ〜 ハチの好きだったハイボールだよ〜」と八郎君が大好きだったハイボールを供えると、「やぁ〜 皆さん来てくれたんすかぁ〜 うれしいっス。」 そんな声が聞こえた気がした




各々が役割分担し、タープ張り、焚き火の準備を終え、ブルーシートを河原の焚き火そばに張り宴会場を作った。 これなら宴会中に雨が降ってきてもあわててタープに逃げ込む必要もないし、タープは寝床だけに使えるので、ゆったり寝ることができる


テンバ前の流れで冷やし宴に備えます
もちろん一本なはずはありません


初日の釣り



 手際よくテン場設営を終えた所で無事到着の乾杯。 夕方までにはまだ時間があるので、軽くを釣り上がったが、大水の影響か昨年に比べ魚影が少なく型も小さい。 あまり釣り上がると明日釣る区間が短くなってしまうので、今夜食べる分をキープしテン場に戻った。 これからが楽しい宴の時間である。 焚き火を囲み齊藤料理長の作った料理をつまみに酒が入ると、殆ど寝ずに来たため急に睡魔に襲われ、早々の就寝となった






 明けて2日目

 未明は雨が降っていたが、夜が明けるとあがっており、時計は高気圧を示している。 今日は釣り日和となりそうだ。 近年は年1度程度しか山に入らないのに天候に恵まれるのはとても幸運なことだと思った。 朝食を済ませ釣り支度を整え、齊藤氏、林出氏、上田氏の元気オジサン3人は魚止め滝まで、寺尾氏と私の脚つりコンビは一旦下降し、昨日あきらめた支流に入ることにした

支流に入ったのは8年程前が最後になるが、ザラ瀬続きであっという間に魚止めの滝に着いてしまった印象が残っていた。 しかし渓相は全く変わっており、ザラ瀬こそあるもののゴーロ、落ち込み、瀬と変化に富んでいて、全く別の沢に入った感じがした。 幾度となく大水が出たのだろう。 そのせいか魚影は薄かったが、程よく楽しめるぐらいの型、数を釣ることができた。 渓相が変わる程の大水が出たにもかかわらず、脈々と命が繋がれていることに岩魚の生命力の強さを実感させられる。 昼食を済ませ釣り上がるが、ポイントが多く目指す魚止めの滝までたどり着くことができずに時間となったため、テン場に戻ることにした

快晴の中快適な遡行を続けます




 

ここからは魚止め探釣に入った3人との2元釣行記

今日は時間もたっぷりあり、のんびりと上流を目指す、昨日釣り終えた場所から竿を出す。上田さんはテンカラ、齊藤、林出さんは餌釣り。昨日と同じように魚の出が今一つ。かと言ってここに来れる釣り人などそう多いはずもなく、いても必要以上の殺生をするような釣り人もおらず、釣れないと言っても「ここにしては釣れない」と言うだけ


 それぞれ良い型に恵まれほぼ予定通りの時間で遡上止めに。吐出しには8寸級のイワナが沢山ついており、まずはこれを片付けないと主との出会いは叶わない。釜は奥行きが深く途中の岩棚を行けるだけ行って仕掛け目一杯に探る。

粘り強く待っていると底からぬーっと魚が上がってきて餌を見に来るのが見える。結局ここでは大物には巡り会えず、小さく巻いてさらに上流へ。途中、以前舞茸の大株があったシロを見るが今回は残念

僅かで山が迫り、いよいよ魚止め間近。階段状の大石を乗り越して行くといかにもと言う釜を持った魚止めが

今回の釣行の釣りもいよいよ最後。それぞれポイント分けして竿を出す。いつもは尺上が数匹で納竿になるがどうやら今回はお留守。でもここまで来れたことでもう十分。さ、今宵のテン場宴会に向けて急いで下りましょう



ポイントを狙う林出絶好調先生

釣果も絶好調のようです


上田さんもテンカラでかけたようです


本日はここまで



 
今夜の食事は齊藤料理長の岩魚の天丼。 これがまた旨い。 それに加え牛肉炒め他、多彩な料理の数々。 源流でこういうものを食べていいものだろうか。 でも担げるうちはいいか。 齊藤氏と行くと皆太って帰ると言っている(私も実際家に帰って体重計に乗ると増えていた)

宴が進み1人1人と寝床に着いて行く。 私もそろそろ寝床に着こうと思うが、寺尾氏が「何、もう寝ちゃうの? 付き合い悪いなぁ〜 もうちょっと付き合ってよ。」と引っ張られ寝させてくれない。 暫く付き合ったが、明日の帰り道を思うと夜更かしはできず、「悪いけど先に寝るね。」と言って寝床に就いた


夜の雨対策の為宴会用ブルーシート


     
   寝床は高台の一等地


 
     
     
 



 3日目 

 今日は帰るだけだ。 朝食を済ませ、回りを綺麗に片付け、「ハチ〜 来年も来るからねぇ〜」と焼香を済ませ9時テン場出発。 一度最初のテン場まで戻り、来た道を登り返すが、天気が良く気温が上がってきたため急登がきつい。 腹も減ってきたので支尾根の途中で昼食休憩をとる。 いつもは稜線の鞍部でお昼になるが、年々段々と手前になってきた
 

 
     
  急登を途中、朝作った弁当で栄養補給


 
 
 途中途中でミズナラの木を見つけては舞茸を探すが全く出ていない。 まだ時期が早いようだ。 稜線から支尾根に移り、来た時のコルで小休止を取り、午後2時登山口着。 途中休憩を沢山取った割には早く着くことができた。

沢を下降し渡渉点を渡り、車止めに午後2時半到着し、厳しくも楽しい山旅の終了。 無事下山できたことに安堵した。 

 「お疲れ様でした。 また来年も来ましょう。」と言葉を交わし、福島組と別れ帰路についた。

普段プールで泳いだり歩いたりしていて、山に入るための最低限の体力を維持していたつもりだったが、山歩きに必要な体力は全く違い、今回はつくづく体力不足を感じた。

源流に入るためにはきちんとトレーニングしなくちゃ。 ねぇ寺尾さん!




 

<追記>

 3年前、大塚八郎君はこの山渓に魅せられ、単独で入り、図らずも尊い命を落とした。 山の女神に気に入られてしまったのか。 まだまだこれから長い人生、そんなに生き急ぐこともなかったのに。 先輩から可愛がられ、後輩から慕われる人柄で、会の人気者であり、これから先、会を引っ張って行ってもらえたであろう貴重な人材を亡くした痛手は大きい。 今はただ、冥福を祈ることしかできない。 八郎君、安らかにお眠り下さい。


(たかく あきお)
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