Fishing2015釣行記 のんびりまったり朝日釣行
のんびりまったり朝日釣行
 
  
[報告者] 齊藤敦
釣行日:2015/7/11〜12
 メンバー:林出政治、齊藤敦
 
 
 
 
 
  6月に昨年、大変良い思いをした朝日の沢へ2匹目のドジョウ(イワナ?)を目論んで向かう。

 舗装路から僅かに入るといつもより何となく道が荒れていて

「いや〜今年は入渓者も少ないようで何より何より」

 と期待に胸を膨らませていると僅か先で斜面の崩落。

 ガーン、如何に愛車ジムニー号と言えどこれ以上の通行はもはや無理。スコップ程度では屁にもならない倒木、落石が。多少なら強欲の私には朝飯(釣り)前の準備運動代わりだが万事休すとはこのこと。暫し考えるもここから車を乗り捨て目的地まで行くとしたら軽く徒歩3時間以上、今日は日帰りなこともあって戦意喪失、即退散。


    
しかし、強欲者にはこれをプラス思考に変えるひらめきが


じゃ、釣り人入ってないなら林道が修復される前がチャンスじゃない?、よし次はバイク持って行きましょ」と言うことに相成り、後日決行。

 計画ではバイクで旧車止めまで行ってここから廃道になった道を小1時間の歩き、以前対岸に渡るワイヤーの吊り橋があったところから沢に降りる。そしてここからのんびりと釣り上がり、釣りながら2時間程度の左岸の極上テン場で1泊。

 当日は天気も最高、予定通り夜明け前に林道入り口に到着、ジムニーから2台のバイクを降ろして車止めへ。天気も爽快で原生林の景色を眺めながらのドライブも最高。

 車止めにバイクをデポし、1泊には少し重いザックを担いで廃道を歩き出す。当然、誰も先行していない、お蔭でクモの巣が顔にかかりうっとおしい



バイクを降りて杣道歩き



 
沢に降りて歯を磨き、はやる心を諌めながら釣り支度。去年の40センチポイントにミノーを振り込む。どうも少し時期遅れの感があり、雪シロも完全に落ちて水が温く、少ない。そのせいかミノーを真っ先に追ってくるのは本命のイワナではなくアブラッパヤ。

 
 ここいらはダムからの遡上に障害がないこともあってハヤの混成だが、今回は圧倒的にハヤが多い。テン場までは数尾のイワナを掛けたがハヤにやられないタイミングを見てのイワナの釣り方をしないとイワナの口には届かない。


 テン場に着くと軽くビールで乾杯をし、少し高台の平地にタープと蚊帳を設営、これで今夜の安眠は万全。

 テン場は河原の宴会スペース、大量の流木、平らで安全な寝床、そして対岸にあるのがたまにキズだがこんこんと流れる飛び切り冷たく美味い沢水とテン場条件から言えば対岸であることの-5点以外は満点で十分合格点の
95点!



ようやく沢の下降点まで到着


テン場対岸の沢水


     
  テン場より下流をのぞむ


 
 


 時間はまだたっぷりあり、昼飯の素麺をサブザックに入れて釣り開始。


 もう30年近く前にここに来たことがあり、当時は20代後半で岩を飛び跳ねながら今日一緒に来た林出さんと釣り競って歩いた。ついつい帰り時間も考えずに夢中になり、川を下る途中で野営していた方とすれ違うと

「あんたたち、こんな時間になって帰るのか?」

 と呆れられたことも。

 今はさすがにお互い50.60代、そんな体力、気力も失せ、のんびりと釣り上がる。釣れれば当然楽しいには違いないが朝日のブナやミズナラの大木の中、竿を出しているだけでも十分満足。本来は高巻きになる大渕の滝まで行って滝の主をと思っていたが、イワナも十分釣れてこれ以上はと納竿。



長竿を目一杯振っての釣り


尾根に伸びる杣道





 納竿した場所には随分昔に使われたであろう山仕事用の切れたワイヤーがあり、今でも何とか道?と分かる尾根に通じるであろう不鮮明な取り付きが。

 昔と言っても昭和30〜40年代だろうが良くこんなところまでゼンマイ採りや山仕事にと感心し、当時の風景を思いめぐらせる。


 自分たちは天気を選んで酒や食い物を沢山担いでの遊び、彼らは多少天気や体調がどうであれ飯を食うための生業、これは雲泥の差。本当に自分たちは幸せな世を生きていると実感させられる。



往時のワイヤーロープ


良型イワナを掛ける林出さん




 土産に数尾のイワナをぶら下げてテン場へ戻る。今年は残雪が多いのは分かっていたがここにも途中の何カ所かにあって火照った体には冷気が気持ち良い。テン場の少し上流の雪渓で林出さんに先に行ってもらい、私は雪渓登り。何のためだって? 雪渓の周囲はまだ春の陽気、と言うことはまだ食える山菜がある、と言う。


 
強欲第2弾。


ありました季節外れの食い頃の赤コゴミ、そして多少伸びてはいたがウドの新芽を各一掴みレジ袋へ。
  


時期遅れの雪渓


山アジサイには珍しいピンク色




 今宵は2人だけなので調理も簡単に済ませ、ホルモンと玉ねぎを炒めおつまみに、そして予定外の山菜とイワナの天ぷら。山菜の時期には鱈腹いただいたがこの時期の天ぷらも最高、飯も美味く炊けて対岸の沢水で割った焼酎がはかどる。

 背中の岩を座椅子代わりに焚火を眺めて飲めば夕やみ迫り、自分が自然にとろけて行くよう。


 酒とツマミと飯で十分に腹も膨れ、


 
強欲第3弾


カップに並々と酒を注ぎ寝床へ。

 「まだ飲むの?」

 と怪訝な顔をされ。

 「いやごろ寝して眠くなるまでちびりちびりと」と。

 明朝起きると結局、カップには手付かずの虫の浮いた酒が、どうやらいつものバタンキューだったようで・・・



赤コゴミ、ウド、イワナの天ぷら


河原の宴会場から寝床をのぞむ


蚊帳付きの快適な寝床




 

 私より年寄りの林出さんは既に起きて火熾し、対岸には冷やしたビールがまだ2本ある。どちらが取ってくるかとなり、
「いいよ自分の分は自分で取るで

となり、ズボンを捲し上げてビールを取りに、慌てた林出さんもそれはかなわんと取りに来る。

「いいよ1本取るのも2本取るのも変わらないから」


 
強欲第4弾。


 「自分のビール少し俺に注いでくれれば」

 朝一の貴重な残りビール、そんな条件は飲めないとお互いに意地の張り合い、結局は銘々にビールを取りに行くことに。


今日はもう帰るだけ、何と帰りの運転は林出さんが引き受けると言う、ならばもっけの幸い、「昼は〇〇港によって刺身定食にでも」と言う強欲第5弾のわがままも聞いていただき、心置きなく残り酒を頂戴する。来た時よりも美しくはならなかったがそれに近いほどに片付けて撤収。林道で極上のミズをふた掴み程採って土産に、強欲第6弾?いえいえい、これはいつも貴重な情報をいただいているSマタギへのお土産。帰りがけにじっくりと焼き枯らしたイワナ2尾と共に持参し、茶と冷えたスイカをご馳走になる。今春はSマタギの案内で天国のような釣り場に案内してもらい来年も是非にと念押しでお願い。土産のお礼に塩漬けのワラビをいただく。



沢水で冷えたビールで乾杯


テンバより上流をのぞむ




 
今回の釣りは時期的は遅かったが、ま、何が何でもイワナと言うのはもう通り越してしまった。

 兎に角自然の中でのんびりと竿が出せて美味い酒が飲めればそれでほぼ9割は満足。そんな自分の基準からしたら120点でも。


  一緒に行ける友と場所がそう遠くないところにあって殆ど外れない釣行ができる環境に大いに感謝です


(さいとう あつし)
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