Fishing2017釣行記 柳又谷改め恵振谷
柳又谷改め恵振谷
 
  
[報告者]平江誠 
釣行日:2017/9/16〜17
 メンバー:渡部信雄、上田勉
 平江誠、安斎昌幸
 
 
 
 


 台風18号が日本列島を縦断するといわれる今週末、天下の黒部にあってその名を轟かせている北又谷支流柳又谷へ、無謀ともいえる2泊3日の釣行計画を立ち上げた。 

 もう5年程前になるか、はまなべさん、寺尾さん、私の3名で山越えで入渓したのであるが、9月にもかかわらず雪代ゴンゴンで渡渉もままならない中、テン場前での尺級の入れ食いに、あきらかに二匹目の泥鰌を狙っての計画であった。


 事前情報によると、9月に入っても雪渓が残り渡渉もできず撤退が続いている状況らしいが、とりあえず行ってみるべと安易な気持ちでいたのだが、台風の到来とあっては、北又本流の渡渉が難しい為、北又小屋へ帰還できなくなってしまう。私的には2泊の北又小屋での宴会でも全く問題無いのだが、やはり釣期も終盤にかかり、天下の黒部とあっては岩魚を釣りたい気持ちも多少はある。なんとか釣りのできる方法は無いものかと、いつものように仕事中に国土地理院2万5千分の一の地図を眺めていると、なんと恵振谷であれば山越えで沢を渡渉することも無くたどり着けることを発見した。

 早速参加者全員にその旨を告げ、行き先の変更となった次第である。

はまなべさん・上田さんはもちろん、有給休暇の消化の為、9月15日(金)〜19日(火)の5日間という余裕を持った日程の為、金曜日は一日移動日にあて、のんびりと小川温泉で宴会を開き、そのうえ無料露天風呂(本当は有料)まで堪能でき、最高の入山祝いとなった。夜半に到着となった安斎君は、熟睡の3名に合流をあきらめ、就寝となったようだ。






 16日(金)8:00出発のタクシーに乗り込み、1時間ちょっとで北又小屋到着。最終日の宴会に備え、大量の酒とつまみを北又小屋にデポし、一路恵振谷目指し登山道を歩き始める。北又小屋からダムへの下りと、対岸の水平道までの急な登りで1時間以上かかっている。まだ北又ダムが眼下に大きく広がっていて小屋も間近に見下ろせるので進んだ感が全く無い。大休止を入れつつ2合目・3合目とやり過ごし、なんとか5合目手前で左に折れる尾根への取り付き口を探す。5合目付近に水場があるとのことだったので、5合目標識までなんとか足を進め、安斎君と二人で水汲みに向かう。キンキンに冷えた沢水で喉を潤し、ついでに昼食も済ませる。


 今回は登山道で携帯がつながるため、安斎君がYAMAPをダウンロードし、簡単に使いこなしている。私などはダウンロードはしたものの、未だに使い方もよく分からない状態である。ああ情けなやーー!!



 
北俣小屋到着



はまなべさんのガーミンと照らし合わせると、現在地と軌跡が明確に分かる為、ルートさえ間違えなければ楽チンでたどり着けるとふんでいたが、意外と地図とのずれがあり支尾根の取り付き口が分からない。

1km前後を2往復してなんとか見つけることができたが、踏み跡も無い藪こぎの後、最終的には沢へと追いやられ、やっとの思いで恵振谷支流との出会いに到着(3:00)テン場をさがしつつ支流を下るが、なかなか快適なテン場が見つからない。時間も4:00を過ぎ、藪をむりやり切り開いて寝場所を確保した。





まだまだ元気!!!


まだまだ・・・

元気??


     
     


 

薪を集め、タープを張り終えると、安斎君と二人で釣りに出かける。時間も限られるため、駆け足で恵振谷本流を目指す。10分ほどで本流出会いに着いたものの、出会いは10mの直滝であった。しかし釣欲とは恐ろしいもので、一瞬のためらいもなく泥壁のルンゼをトラバースし本流へと降り立った。後続の安斎君も無事到着。いよいよ恵振谷本流での釣りである。

渓相は餌釣りにもってこいのポイントが連続している。北又小屋の親父の話だと、恵振谷でいい釣りをしたという話は最近聞かないということだったので、不安を感じつつも餌竿をだす。すると、ほぼポイントごとにあたりがあるが、大物が安斎君にばかりかかるのはなぜだろうか?

まだまだ最高のポイントが続く中、あたりも薄暗くなり一人4匹づつ釣ったところで、納竿とした。尺もの3匹を釣り上げた安斎君は、「あと1時間あれば40オーバーも釣れたのに」と捕らぬ狸のなんとやらではあったが、意外とそう思わせるに充分な渓であったことは間違いない。後ろ髪引かれる思いで恵振谷を後にする。


恵振谷イワナ
Gett!!!



安斎君の尺イワナ


素晴らしい渓相の恵振谷



日も大分暮れかけ薄暗い中、駆け足でテン場に戻り、はまなべさんと上田さんに釣果を報告すると、「釣れて良かったなー」と喜んでくれた。

着替えを済ますとお待ちかねの宴会である。斜めに傾いてずり落ちていく床に苦戦しながらも、おいしい料理と焚き火で大満足の夜を過ごすことができた。



ベーコンポテト製作中






 

二日目。夕方には台風が来ると予想しているので、1泊で帰らなければならないのが非常に残念ではあるが、ほとんど快晴の中、名残を惜しみつつ撤収とした。

 

30分ほどで、支流出会いに到着、流れが細くなり涸れるあたりで踏み跡を発見した。「こんなところを歩く“ばか”もいるんだね」と呆れながらもよくよく思い返してみると、昨日自分たちの歩いた跡であった。やはり我々は生え抜きの“ばか”なんだと、改めて認識させられた。

 

午前中のうちに登山道までたどり着き昼飯としたが、安斎君と私は余った酒で小宴会を開いていた。先に下山するという2人を送り出し、小1時間ほど残った焼酎やウィスキーを飲みながら、朝飯の残りで作った贅沢弁当をつまみにまったりする。

 

そろそろ本格的に酔いが回り、ここでビバークも辞さない気分ではあったが、仕方なく下山することにした。2人で駆け足で下り、はまなべさんと上田さんを追い越し、3合目付近の左カーブを曲がったとたん、がさがさと大きな音を立てて消えていった藪の中から「ううーっ」と唸り声がする。野尻さんだ!、いや違う、熊だ!!。慌てて後ずさりし大きな声で「おーい」と何度も叫ぶと、唸り声も聞こえなくなった。それでも恐る恐る藪を遠めに眺めつつ様子を見ていると、安斎君が追いついてきた。

 それからというもの、曲がり角の度に「おーい」と大声を掛けながら通過し、小屋に辿り着いた時には声も嗄れるほどであった。

 

全員が小屋に到着すると、待っていたように風が強く吹き荒れて、雨も降り出した。しかし小屋の軒下で沢水に冷やしたキンキンのビールで乾杯し、日本酒などを飲み始めると、天気などどうでも良いといった感じで、テンションも上がりっぱなしである。

 それまでは軒下で寝るつもりであったが、あまりの雷雨・強風に、小屋の親父が「宿泊客の食事が終わったら、土間を使ってもいいよ」といってくれたので、お言葉に甘えて遠慮なく使わせてもらった。

明日に朝日小屋まで登るという女性6人組みに気を使って小声で話しているが、そこは酔っ払い、ついついボリュームも上がってしまいがちであったが、ちゃんと眠れたのであろうか?御迷惑をおかけしました。

 

翌朝も雨があがらないまま、登山客を見送りつつだらだらと酒を飲み続け、結局昼前にタクシーを呼んでもらい北又小屋を後にした。

 

       来年は小屋泊り二泊で宴会だー!!



キンキンビール


ミヤマクワガタ
♀(メスッ)




 


(ひらえ まこと)
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