Fishing2021釣行記 「漂 泊」
「漂 泊」
     
 
  
[報告者] 本宮
 メンバー:本宮、上田、五百川、大貫

 
 

激しく降り続けた長雨のせいかブナの木々は葉を下げ明るく見通しを良くしている。

釣りに興味が薄くなったことを隠しながら荷を下ろし今回も釣りは若い(?)二人に任せ沢の案内とばかりに古いナタメを頼りにいざ参らん。


ようやく着いた茶色い流れにルアーマン五百川がチェイスするイワナ達と嬉しそうに遊んでいる。目を先に向けると見えるイワナに何とか喰わせようと毛ばりをプレゼンする大貫。


テンバでは今頃上田さんが焚火ゴーゴーでビールを飲んでいる頃だろう。











     
 

 
 


 

 
 

寒い寒いと水を避け高巻径にはキレイな入り口出口がついておりありがたい。。昼は五百川準備の特製塩ラーメンに卵とネギで飾りをつけ日が射す河原で深呼吸。釣りも呆れた頃テンバの焚火が恋しくなり一目散に来た古の径を傾く夕日に負けじと歩みを急ぐ。


 







たなびく煙が見えると遅い帰りを詫びるように対岸のテンバに向かって大声で

「ホ〜〜〜イ!!!」

「オオオオ〜〜〜イ!!!」

すぐさま呼応の安心したかのよう響く声。着替えを急かすテンバの主。

延着した釣り人を待ち続け方々から薪を集めてきたと嬉しそう。

寒さに震えた昼間より焚火の暖に迷わされ冷たいビールをゴクリと一息。原液登場とばかりに蒸留酒に手が伸びあとはいつもの大宴会。

嬉しい沢での大宴会。













来てよかったとテンバの主が言えば、釣りよりも楽しいことがあったことに気が付く釣り人達。

釣りはどうでも良い私はさてさて何しにここへ?


山への理由は人それぞれ。

釣りをしない私は差し出された意外な贅沢にひとこと。

「これかぁ!」

綺麗に切り分けられた瑞々しい果物を頬張り山と沢、そして仲間を嬉しく思う焚火の酔い。


まどろむ夜更けは木々の葉を透かした星たちに声を上げ記憶にとどめようと思考を凝らす。


 




     
 

 
 
     
 

 
 
     
   

 
     
 

 
 






 

早起き鳥に漆黒の闇から引き上げられ盛大な炎は白い跡。

兵どもが夢のあととばかりにしおらしい。











では、と荷を担ぎ喧騒漂う下界をめざし下界をめざし。

笑う門には福来る。果たして明日は福なるものがわざわざ私を訪ねて来るのだろうか。

笑う門には福来る。笑い過ぎて余程でない限り福とは思わないだろう。笑わずとも福が来れば良いのに。

笑い過ぎた頭は調子の良いことしか考えない。









さあさあ帰ろう。


もう誘うなよ!とテンバの主が大きな声で。

ええまた来週ね!


とこれまた大きな声で御返しを。
 






 


(ほんぐう かずひこ)
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