Fishing2023釣行記 真夏の飯豊 険谷源流釣行 「Don't think. Feel ! 」の巻
真夏の飯豊 険谷源流釣行
「Don't think. Feel ! 」の巻


     
  
[報告者] 本宮和彦
釣行日:2023/7/28〜30
 メンバー:本宮和彦、大貫和之
 伊藤道大、五百川和也
 
 さてさて、私の青春の1ページを語る上で外すことの出来ないアジアが誇るアクションスターと言えば故ブルース・リー氏。
敢えて氏の劇中における名言の一言を題目とさせていただいたこの三日間を心の声を交えながらお伝えしていきたいと思います。

それでは、本編の始まり始まり〜〜



とある山間の広々とした公園へ三々五々メンバーが集まる。
一番乗りは福島の伊藤さん。ここから登山口まで一台で乗り合わせるためハイエースで来ていただいた。
私と大貫が着くころには既に五百川君も到着しており厳かにかつ盛大?な前夜祭の開幕を迎える。




1日目
登山口まで移動後、入山届を記入し専用BOXへ投函後キツク苦しい登山の開始。(0730)

今回のザックには軽量化の趣旨のもとビールなどはパッキングされていない。あるのは50度のウイスキーのみというシンプルな準備にスタート直後は軽い熱中症にヤラれたが何とか登りきるころには回復し後から登ってきたダイナマイトないでたちの若者と談笑する余裕も出てきた。

あとは斜面を下り支流を本流に向けて進めば本日の行動は終了と藪に身体をねじ込む 。(1300)





軽い気持ちで斜面を下り始めるとどうやら50〜60度はある下り斜面にザックに入っているウイスキーと同じ度数だななどと枝に掴まりながら道なき道を下り始める。

と、何気なく枝を離し下ろうと思った矢先、別の枝が跳ね右目をこする様に弾けていった。

  ん?????

    まさか?????

       見えん・・・・・

         下を向く私の左目が捕らえたのは落ちていく右目のコンタクトレンズ


そこからは地面に這いつくばってあるはずの右目コンタクトレンズを探すも見つからず図らずとも視力左目1.2、右目0.05の独眼竜釣行の開始と相成る私でありました。






急斜面で何を思っているのだろう?

片目に慣れようとする私
(決して顔は笑っていない)

支流を下る一行


なんとなく撮られていることを察して笑顔




 下降用の沢に降り立ち一路無いはずのテンバを探しながら本流を目指す一行。
何度かの探索後今までは無かった開けた段丘に適地を見つけようやく思い荷を下ろすことができた(1600)

その夜は政宗でリーな私はウイスキーを煽り早々に夢の中へ突入し明日からの釣りに英気を養う。




明けて2日目
朝から快晴、これ以上ない釣り日和である。

朝飯用に炊いた米と肉、納豆を掻っ込みいざい出陣。
と言いながら遠近感のない私だけ皆の後をヨロヨロとついて行く。遠近感が悪い為浮石の判断が非常に遅く何度もヨロけその度に

  
一人テンバへ戻ろうか?はたまたここで皆を先に行かせて一人で待っていようか??

と何度も思った私でありました。


 「Don't think, Feel!」

すると、どこか遠くから氏の声が聞こえたような気がした。

目が見えなくとも気持ちを奮い立たせヌンチャクなど無いにも関わらず強敵ジャバーと相対しているかのごとく遡行を続ける。


本流はダイナミックな渓相(良く見えないが恐らく)で三面川を思わせる押しの強い流れに渡渉もままならず伊藤さんとスクラムなどこなしながら上流へ進んでいく。

表層の流れには比較的小さなイワナが捕食を余儀なくされ、その分深場には丸太のようなイワナが居着いている。
すると大貫がおもむろにエサ竿を取り出しなにやらブドウ虫など針先に付けている。
沢屋から釣りを覚え会での活動に精を出していることは知っていたがついにエサ竿まで持ち込むとは恐るべし。



ダイナミックな流れをヨロヨロとついて行く


真夏の青空


エサ釣りで40aイワナを釣り上げた大貫


昼のひと時
座ると落ち着く


ラーメンを作る五百川君と私
お茶を一気飲みし伊藤さんも上機嫌


伊藤さんも型の良いイワナを釣り上げています



サビキのような毛バリ釣り





型の良いイワナ



五百川君はサビキ釣りのようなテンカラ釣りで颯爽と釣りあがっていく。
(そういえば6月の釣行でも一人勝ちしており非常に気になるシステムである)

伊藤さんと二人毛バリを振り右岸から支流が流れ込んでいることに浮気し大岩の陰から毛バリを振ると、着水するや否や
   (良く見えないが恐らくそんな感じなんだろう)

ヒレの大きな9寸程の雄イワナが竿を絞る。

やはり、氏の言う通り考えすぎは良くないようである。




程なく大淵を要する落差のある滝が見えてきた。
私が毛バリを振ると盛んにアタックしてくるが上手く毛バリを銜えられないようで何度振っても同じである。

私と同じ赤シャツ大貫がまたもやブドウ虫を付けたエサ竿を持ち出し難なく釣り上げる。

まあ、今回は許してやろう(目が見えないし釣りはどうでも良くなってきた)

本来ここは泳いで取り付き越えていく旨をメンバーに話すといきなり伊藤さんが平泳ぎでスイスイ流れを横切るように泳ぎ始めた。

皆がアッケに取られていると岸の壁に取り付きこれまたヒョイヒョイと登り笑顔で手を振って見せた。





伊藤さん・・・


おーーーー!!!
伊藤さん!!!


伊藤さーーーーーーん!!!!


伊藤さん????


一休みの伊藤さんと私




40オーバーのイワナも釣れたし今回の遡行はここまでと決め一路一行(目の見えない一人を含む)は支流出合いのテンバへ帰還することとした。




最後の宴は焚火も盛大にアルコールも盛大につまみも盛大に正しい源流酒場を楽しみ大いに盛り上がりを見せ惜しむように宴は続いた。

 

(マサイ砂肝炒め)


マカロニサラダ

豚肉味噌漬け焼き


(狩りに出かけたマサイの男は獲物を得るまで村には帰れないの図)






最終日

早々に朝飯をすませ遥か彼方に見える(らしい)稜線目指しテンバを出発(0700)

初日は斜面を下ってきたが帰路は沢詰めを選択(これが後にスリリングな展開を見せる)

倒木と大石が積もる沢を進むと程なく二又に差し掛かり見上げると行く先には8bほどの滝が。
大貫と私がトライするもあと一手が出ず攻略失敗。それではと右の沢へ向かうもこれまたいやらしい。

ここでまたもや伊藤さんの登場。
ほぼ垂直の斜面を倒木に掴まり、果てはウルイをまとめて掴みついには滝頭へ立ち私たち3人をロープで引っ張りあげてくれた。(伊藤さんアリガトー!!)

その後も60〜70°の急斜面を四つん這いで這い上がること3時間。

悪戦苦闘の末体力が限界に近づく直前に稜線へたどり着いた。




お決まりの記念撮影

既に気配だけで何事かを察知できるようになった私
(見えてないのにカメラ目線)

気力体力もう限界です



沢詰めの様子


ようやく急な登りも緩やか?に


日曜夜9時からのドラマを楽しみにしていた私も今回だけは諦め(と言うか目が見えないのに帰れるのだろうか?)
ひたすら車止めを目指し斜面を駆け降りる。
 


下界は遥か彼方

謎の液体で体力を回復する男)



途中謎の液体で体力の回復を図り(アルコールではない)ヒグラシの心地よい声と涼やかな風に吹かれながら無事車止めに到着(1800)





 今回のルートは4人とも未経験でありながら要所要所力を合わせ無事帰還出来たことは非常に有意義であると思います。

 次回は軽量化は元よりコンタクトレンズの予備を忘れないようにと心に誓う私でありました。





私のアイドル
故ブルース・リー氏
「Don't think. Feel !」

(ほんぐう かずひこ)
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